【新NISAかiDeCoか?】NISAを優先するべき理由 共働き4人家族の場合

お金・投資


2024年1月スタートの新しいNISAが、これまでの一般NISAやつみたてNISAから大幅に改善されることとなり、話題を呼んでいますね。

一方で、20年以上前、2001年から制度が始まったiDeCo 個人型確定拠出年金も健在です。何年も続けている方もたくさんいらっしゃいますよね。

NISAとiDeCoの大きな違いをひとつ挙げると、iDeCoは拠出時(掛け金を払い込む時)は所得控除があるものの、受け取る時には課税される、つまり所得税がかかる可能性があります。一方で、NISAでは、拠出時は所得控除は受けられませんが、受け取る時は課税されないという点です。

今日は、これから新NISAやiDeCoの運用を始めようと考えている方、結局どちらを選べばいいのか、両方やった方がいいのか迷っている方に向けて、それぞれのメリットやデメリットをお伝えします。
また、私の夫 30代会社員で子どもが2人いる、資産運用の超初心者が新NISAやiDeCoをどう選ぶかという実例も見ていただけます。節税も投資も未経験の夫が、ほんとに初めて将来のお金のことを検討して、初めて証券会社に口座を開設し、運用をスタートする話です。
併せて皆さんが新NISAやiDeCoを検討するヒントにしていただきたいと思います。

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まずは新NISAのメリットとデメリット

新NISAは2024年1月に開始され、年間360万円まで、累計では1,800万円まで非課税枠が設定されました。2023年12月まではつみたてNISAが年間40万円の非課税枠、一般NISAは年間120万円の非課税枠であったことと比べると、大幅な引き上げです。

また、NISAで買った株や投資信託はいつでも売って現金化できます。子どもの進学やマイホームの購入など、時期が決まっている支出に合わせて準備をすることはもちろん、大きな病気など急な出費がある時でも、柔軟に対応できます。

NISAのデメリットは、売却する時にいくら利益が出たとしても所得税がかからない反面、損失が出た場合はNISA以外の証券や事業所得、給与所得などの利益と損益通算(利益と損失の相殺)ができないことが挙げられます。
お金が必要になって売却するタイミングで、自分が投資していた銘柄の価額が下落していて損失が出たとしても、それで所得税が還付されることはありません。

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次はiDeCoのメリットとデメリット

iDeCoの最大のメリットは掛金を払い込むと、その金額が所得から控除されるため、節税効果があることです。

また、iDeCoは原則60歳までお金を引き出せないため「老後資産をつくる」という目的がはっきりしています。
会社員の中でも、企業年金が導入されていなかったり、退職金が少なかったりする方や、 退職金がなく公的年金も国民年金のみ の自営業・フリーランスの方はiDeCoを活用するメリットがあります。

対してiDeCoのデメリットは、掛金を払い込む時や、運用している間は非課税でも、受け取る時は課税対象になります。
これ要注意ポイントで、退職金や企業年金のある会社員や公務員の方、特に受け取る金額が大きい方は、所得税がけっこうかかってしまうかもしれません。
iDeCoで作った資産をどう受け取るか、退職金やほかの年金などを受け取る順番、一時金で受け取るのか分割して年金として受け取るのかなどを検討する必要があります。個人ごとに異なるので、具体的に知りたい方はプロのFPさんに相談されるのもいいでしょう。

また、iDeCoは原則60歳までお金を引き出せないという期間の縛りがあり、突然の病気や家族の介護などでお金が必要になっても対応できないことがあります。

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併用するのはどんな人?


では、NISAとiDeCoそれぞれのメリット、デメリットを知ったうえで、これらの制度を併用するのはどんな場合、どんな人が考えられるでしょうか?

NISAとiDeCoを併用する例としては、自営業の方が、会社員でいう厚生年金のような年金を自分で用意するというケース。iDeCoは「個人型確定拠出年金」ですから、まさにドンピシャの使い方です。

また、資金に余裕がある方も併用するとメリットがありそうです。iDeCoに拠出することに加えて、子どもの進学費用や住宅購入など将来に向けた資産はNISAで作るというように使い分けることで、iDeCoで現役時代に所得控除を受けつつ、NISAでの資産形成では現金化する時に非課税の恩恵を受けられます。

それから、先ほどiDeCoのメリットとデメリットのところでも触れましたが、退職金の制度が手厚くない(企業年金が導入されていない、または退職金が少ない) 会社にお勤めの会社員の方や、公的年金が国民年金のみ (40年加入して受取額は年間約80万円程度)で退職金がない自営業・フリーランスの方などはNISAよりもiDeCoを優先的に活用してもいいかもしれません。自営業の方は国民年金にプラスする付加年金と小規模企業共済、こちらも確定申告の時に所得控除できますので、併せて加入を検討してくださいね。

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新NISAを優先すべき理由

とはいえ、私は自営業以外の方はNISA優先でOKだと考えています。

専業主婦やパートの方など、そもそも所得がない、または低い方はNISA優先です。iDeCoの最大のメリットである所得控除の恩恵がない上、iDeCoは口座管理手数料が年間2000円〜3000円程度はかかるからです。

そして全員に共通することは、何よりもiDeCoは原則60歳まで資金を引き出すことができません。つまり、住宅購入や子どもの進学、大きな病気や失業などで急にお金が必要になった際も、使うことができないお金となってしまいます。

一方、新NISAであればいつでも現金化ができるので、遠い将来のための備えはもちろん、急にお金が必要になった時でも、すぐに対応できます。

特に20代、30代と若く将来が長い方や、まだ収入が多くない方は、iDeCoの節税メリットよりも60歳まで資金が拘束されるデメリットの方が大きいと考えられるため、新NISA優先でよいでしょう。

50代など、子育てが終わりつつある方、収入が高くなっている方も、iDeCoは結局は受け取る時に課税対象となる点からも新NISAの優先度は高いです。
iDeCoは確かに、拠出する時は全額所得控除、運用中の利益は非課税となりますので、現役時代の節税効果は大きいです。
しかしながら、受け取り時の非課税枠はあるものの、その枠には上限があります。受け取る年金の金額や、勤務先から出る退職金の額によっては、税額が大きくなる場合もあります。ここを考えるのがけっこう面倒なんですよね。

それに対して、新NISAではどれだけ利益を得ても税金は発生しません。厚生年金を将来受け取れる方や、勤務先から大きな額の退職金を受け取れるような方は、将来の課税まで考えると新NISAを優先してよいでしょう。

ただ、2024年から新NISAが始まっても、所得控除をはじめとしたiDeCoの強みは消えません。私は大きく失敗するリスクを下げたいし、将来の給料がどう変動するか決まっていないのに年金や退職金がどうなったら税金があがっちゃうとか細かい戦略を立てるのも面倒なので、新NISAを推していますが、皆さんも何も考えず選択をするのではなく、NISAとiDeCoの違いなど、分からないことを知ったうえで始めるようにしてくださいね。

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30代後半2児の父、初めての資産運用

さて、私の夫がやっと資産運用を始めた話に入ります。
私の夫は30代後半の会社員で、投資の経験はありません。
私は会計事務所で働いていて、お金のことばかり考えて、お金のことばかり喋って給料をもらっている会社員です。そしてお金に関するYouTubeもやっているのでほんとに毎日お金お金!って言ってます。

家計の管理は全部私がやっていて、夫は「おうちのお金」にはノータッチです。
2023年9月現在は私が一般NISA、子ども2人がジュニアNISAの運用をしていて、夫は投資関連は全く何もしたことがありません。
ここが夫が新NISAとiDeCoをどうするのか考えるスタート地点となります。

実は私自身は2014年に一般NISAがスタートした頃から証券会社に口座を持っていて、ほんのちょっとずつ投資信託を買っていたものの、iDeCoに関しては2017年に申込書を取り寄せたままずーっと放置していました。2018年につみたてNISAが始まっても、iDeCoを思い出すこともなく、もともと浪費家で面倒くさがりなので、転職活動や子育てで忙しいとか言いながらiDeCoの手続きをサボっていたんですね。

でもお金に関するYouTubeを始めて、節約節約!貯金貯金!って言ってるのにiDeCoはやっていないというのもなんか説明がつかない気がするし、一応会計事務所で働いているので自分の勉強のためにも、重い腰を上げて夫婦揃ってiDeCoを申し込むか〜ということにしました。

ただ、ちょうどiDeCoの手続きを2人分まとめてやろうかな〜と思っていたら新NISAのスタートがいよいよ近付いてきて、制度を確認してみたら、あらなんと魅力的!iDeCoは国が用意した最強の節税対策と聞いていたけど、ちょっと待てよと。新NISAも気になるぞと。

夫婦揃って新NISAとiDeCoの両方に資金を投入できる方はそうするのもいいですが、我が家はそこまでは年収が高くないので、各自で新NISAかiDeCoのどちらかを選ぼうとなりました。

で、結論から言いますと、NISAとiDeCoはそもそも使い道が違うので、両方に少しずつ資金を投入するというやり方でもいいんじゃないかなとも思ったんですが、うちは夫と私それぞれで考えたうえで、二人とも新NISAだけをまずはやることにしました。

NISAとiDeCo、先ほどお話ししたようにそれぞれにメリットとデメリットがあるというか、役割、使い道が違います。

新NISAは投資商品を売却した後、翌年になると非課税枠が復活し、再利用が可能になることで、老後資金の準備にも十分利用できるようになります。しかもいつでも現金化できます。

一方iDeCoは、個人型確定拠出年金といって、個人が確定拠出、つまり確定した一定金額を拠出して、セルフで老後に備えるということです。
大前提としてiDeCoの役割は年金なので、自分が預けるお金ではあるんだけど原則60歳までは引き出せません。

我が家は夫の方が所得が高くて、夫がideco を使うと節税効果はがっちりしっかり得られるんです。
でもうちの場合は、貯金する目的は老後資金だけじゃないんですよね。家の設備のリフォームとか、必要な時にはお金が使える方がいい。
特に夫婦揃って走り屋で、サーキットも走るし、もしかして今後大きな怪我をしないとも限らない。
今30代、そして子どもはまだ小学生です。
もし今、すでに子ども達が独立しているとか、子育てがもうすぐ終わるとか、先が見えているような状況であればiDeCoを始めることにしていたと思いますが、60歳までの期間の縛りがあることがどうしても引っかかってしまいました。
それに新NISAの枠を全部使い切らないかもしれないので、それならとりあえず新NISAだけに絞って資金を投入していってもいいんじゃないかなということになりました。

あと、これは夫の性格上のことですが、iDeCoを始める時にどうしても会社に協力してもらう必要があることがハードルになります。会社に頼んで事業所の番号とか事業所の年金の種類とか、証明書類を書いてもらわないといけないんです。そこが面倒で引っかかると。
まだNISAの方が、自分で証券会社と手続きをするだけだから、 自分でコントロールできるんですよね。

全開
全開

そんなこんなで新NISAでいこうということにしました

ちなみに私も今はそんなに所得が高くはないので、もうNISA だけでいいかなと思っています。
iDeCoは書類を取り寄せたまま結局やらずじまいになりそうです。
これ住宅ローン控除みたいに所得税や住民税が分かりやすくストレートに減る税額控除だったらもっと早く利用していたかもしれませんけどね。iDeCoは所得控除ですもんね。

今日は新NISAとiDeCoのメリットやデメリット、どちらを優先するかについてお伝えしましたが、最後に、NISAもiDeCoも制度であって、目的はその制度を使うことではなく、資産形成であるということを念押ししたいと思います。
NISAもiDeCoも将来の備えのための手段です。これらの手段を有効に使って資産を効率よく増やしましょう。

また、資産を増やすためには、家計の現状把握、今どれだけ資産や借入があり、毎月どれだけの収入や支出があるかを知っておくことと、使いすぎているものや備えが足りない部分がないかといった見直しを先にするのが大前提であることも申し添えておきます。
家計簿のつけ方や家計管理のコツ、一度の見直しでずっと効果が続く毎月の固定費の節約方法など、これまでの動画もぜひ参考にしてください。

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