【初心者向け】家計簿の目的・つけ方の基本とコツ

お金・投資

会計事務所の中の人として、家計簿のつけ方の基本についてと、コツを3つほど紹介します。

「家計簿をつけてみたいけど、やり方がわからない」という人、三日坊主になりそうな人、「つけているけど自己流で、細かい部分でわからないことがある」「この方法でいいのかな〜と思っている」といった人の参考になれば嬉しいです。

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家計簿をつける目的は?

何のために家計簿をつけるのか?
家計簿は、いつどんな収入や支出があったのかを記録するものですが、それを1ヶ月、半年、1年…と続けたとすると、例えば

  • どんなタイミングでどんな支出があったか
  • 収入が増えたのか減ったのか
  • 自分のお金の使い方の傾向はどうか
  • 赤字なのか黒字なのか

などを把握できるようになります。
また、先月と今月、去年の今頃と今月、昨年度と今年度というように比較することで、お金の出入りの変動の要因を知ることができ、さらにはお金の使い方の見直しや将来への備えを検討することができるようになります。

全開
全開

これこそが家計簿をつける目的です

だから家計簿をつけるって自分のお金の使い方、暮らし方を客観的に見るうえでけっこう大事なんです。
三日坊主で終わってしまうのは、せっかく3日続いたのにとてももったいないこと!
毎日絶対に記録しないといけない!というわけではありません。
家計簿は収入と支出を正しく把握することが目的なので、あまり重く捉えないで、自分が続けやすそうな方法と頻度でやればいいですよ。

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家計簿に使うツールは?

では、どんな風に家計簿をつけるのがいいでしょうか。
まず使うものはExcelでも市販のノートでも、100円ショップの家計簿用ノートでも、スマホアプリでも、何でも使いやすいものでOKです。

私は家計簿はシンプルな無料のスマホアプリを使っています。

入ってきたお金と使ったお金をポチポチ打つだけのお小遣い帳みたいなやつ。

それと、毎月末日に全ての金融機関口座の残高をExcelに入力して、我が家のお金が増えたのか減ったのか、前月比と前年同月比を確認しています。

家計簿アプリは損益計算書、Excelは貸借対照表って感じで使っています。

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家計簿は何月何日からスタートするのがいい?

家計簿はいつ始めるのがいいでしょうか?
また、1年は何月何日から始まって、何月何日に終わるのがいいのでしょうか。

1月スタート?それとも4月スタート??

家計簿を始める日は、初めての人はまずは今日からでも問題ありません。とりあえず記録することに慣れてみましょう。
そして、例えば毎月1日とか、給料日とか、決まった日を1ヶ月の開始日に決めます。それから1ヶ月間記録をしてみて、次の開始日の前日(1日スタートの人なら月末、給料日がスタートの人なら次の給料日の前日)まで記録を続けたら初めて1ヶ月の収支を確認できるようになります。
まずは1ヶ月やってみてください。
これだけでも、収入と支出の金額がはっきりわかります。実は使いすぎだった…とか。

全開
全開

私の場合は開始日は毎月1日にしています。

これオススメです!



以前は給料日を開始日にしていたこともあったけれど、給与支給日が土日と重なると、前倒しで支給されますよね。毎月25日が給与支給日だとして、25日が土曜日の場合は、前日の24日に支給される、と。

そうなると、家計簿上で1ヶ月の開始日が早まって、1ヶ月の日数が変わってしまいます。

すると、去年と今年の同じ月の収支状況を比べようとしても、日数が違うから正確にな数値にはならない、ということになります。
こんなモヤモヤを避けつつ、シンプルに分かりやすくするには毎月1日開始がオススメです。

1年は何月からスタート?

次は1年を何月何日で区切るかについてですが、これは会社の昇給や異動があるタイミングに合わせるか、子どもの進級や進学時期で一般的な4月をスタートにするとOKです。
年間の収入と支出を把握して、前の年と比べるという家計簿の目的のためには、収入や生活に変化が起きやすい時を開始日にするというのは合理的です。
私は仕事の年度の変わり目も子どもの進級も4月なので、4月1日スタートにしています。

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初心者が使う科目は?

では、家計簿をつける際に使う科目についてです。
まず大きく分けると収入と支出の2つがあります。
「とりあえず毎月いくら入ってきていくら使っているのかを知りたい」…ほんっとにそれだけだったら収入と支出のざっくり2つだけの記録でもダメではありません。

が、後から家計簿を振り返った時に、ある程度その内訳が分かるように、いくつか科目を設定することをオススメします。入ってきたお金が例えば給料なのかボーナスなのか、ある時おじいちゃんからガツンともらったのか、後で振り返った時によく分からなくなるなんてことを防ぐためにもね。

よく使う科目を紹介

一般的によく使われる科目について、収入に関する科目と支出に関する科目をそれぞれ具体的に紹介していきます。
ご家庭によって必要な科目、不必要な科目が異なるので、あくまでもここでは一般的なものを紹介します。

まず収入関係。
会社員などお勤めの方なら「給料」や「賞与」
副業からの収入があるなら「アルバイト給与」「○○業 売上」
年金を受給していたら「年金」
投資をしている人は「受取配当金」「有価証券売却益」
年に数回あるかないかの収入は「臨時収入」
こんな感じです。自分に必要な科目だけ使えばOKです。

次は支出です。
皆さん必ず使うであろうものは
家賃や住宅ローンといった「住居費」
電気、ガス、水道は「水道光熱費」
スマホ代は「通信費」で、ちなみに切手代も通信費となります。
日々の食料品を買ったら「食費」ですが、これは外食とは明確に分けておくことをオススメします。
外食は、お付き合いで必要な飲み会に参加した時には「交際費」、家族で楽しむ食事は「外食費」にすると、後でどこを節約するか考えやすくなるんです。

洗剤とかシャンプーとかは「日用品費」
生命保険は「保険料」
洋服関係は「被服費」、美容院代や化粧品代は「美容費」です。
電車やバスに乗ったら「交通費」になります。
家族のお小遣いはそのまま「小遣い」でいいです。
病院に行ったり薬を買ったりしたら「医療費」ですね。
どの家庭でも使いそうな科目はざっとこんな感じでしょうか。

車に関する支出は、車を維持するために毎月、また毎年いくらくらいかかっているのか確認するためには、自動車関連費用として科目を用意しておいて、保険料、ガソリン代、駐車場代、オイルなどのメンテナンス費用、車検代なんかを記録していく方法が分かりやすいです。
あるいはガソリン代は電車やバスに乗った時と同じように「交通費」、保険料は生命保険などと同じ「保険料」、メンテナンス費用は住まいの修理をした時と同じ「修繕費」に合算するという方法もあります。

全開
全開

車関係の費用を他の費用と分けて把握したいか、それとも車関係は他の費用と一緒でもよくて、交通費とか保険料とか科目ごとに把握したいか、ここは必要に応じて設定をしてください


いろいろルールがあってめんどくさそうだな〜と思うかもしれませんが、まずはスマホアプリとか自分で続けられそうな方法でいいので、とりあえず難しく考えずにやってみてください。

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家計簿をつけるうえでのコツ

は家計簿をつけるうえでのちょっとしたコツについて紹介します。

皆さん「○○Pay」はお使いですか?

これってペイに1万円チャージした時は、その時に1万円を支出として記録するのか、それともペイで実際に何か買った時に記録するのか?どっちがいいと思いますか?

それから、カードで買い物をした時は、買い物をした日に支出したとして記録するのか、それとも銀行口座からカード利用代金が引き落とされた日が支払い日となるのか?どっちでしょうか?

これは、どんな場合でも実際に何か買った日に支出したものとして記録することをオススメします。ネットショッピングなら、ポチッた日、または届いた日に記録すると決めておきます。
とにかく買った事実が発生した時に記録する方法を「発生主義」といいます。
これは支払い方法がペイだろうがカードだろうが同じです。
ペイならチャージした日じゃなくて、そのペイを使って買い物した日に記録してください。
クレジットカードなら、カードを使って買い物した、商品を得た日に記録してください。

発生主義にする理由は2つ

まずは、1万円チャージした時に記録したとしても、その1万円をいつ何に使っているのかは記録に残らないからです。チャージしたことだけ記録しても、その中味が分からないので、記録する意味がないんです。
チャージするって、あくまでも「ひとつの財布から別の財布にお金を移すだけ」というイメージなのです。まだ何の費用も発生していないから、チャージした時は特に記録は必要ナシ。

実際に何か買って決済した時に初めて交通費とか食費とかの記録をするようにしてください。
大事なのは何月何日にどんな費用が発生したかを記録することです。

2つめ、カード払いの場合も、店舗の都合で請求日、引き落とし日がズレることが多々あります。
例えばカードで4月に冷蔵庫を買って、5月に引き落としされる…と思っていたら、電気屋さんからカード会社への請求がゆっくりになってて、6月にやっと引き落とされた!というケースです。
これだと、買って使い始めたのは4月なのに、6月の家計簿に記録することになってしまいます。
もし現金払いで買ってたら4月の家計簿に書き込んでたはずなのに、カード払いだと5月とか6月とかになっちゃうのって変ですよね。想定通りに5月に引き落とされたとしても、買ったのは4月ですから、1ヶ月のズレは生まれてしまいます。
家計簿はいつどんな費用が発生したかを記録するものだから、発生主義をオススメしたいです。

全開
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ちなみに発生主義に対して、カード代金が引き落とされた時に記録する方法を現金主義といいます

現金主義は、お金が動いた時に記録するやり方です。
マネー雑誌とかだと、カードの明細を家計簿代わりにしてますよ〜という人を見かけることもあるけれど、これも現金主義の考え方を元にしています。ただ、そういう人は家計簿を長く続けて、自分がどんなことにお金を使ってるのかがもうだいたい分かっているから、もうきっちりした家計簿なんてほんと必要なくなったわ~という人が多いと思います。
家計簿をやってみたい方は、発生主義での記録をオススメします。会計基準でも発生主義が原則とされていますしね。

家計簿をつけるうえでのもうひとつのコツ。

使ったお金に対して、どの科目を当てはめていますか?
例えばガソリン代。「私はガソリン代は自動車関連の費用として管理するぞ」と決めていたとして、それをいつからか「交通費」として記録していたとか。
化粧品代を、ある時は美容費、またある時は日用品費として記録していたとか。
これだと、どの費用がかかりすぎているのか、この科目の費用が半年前や去年と比べて多いのか少ないのか、正しく把握できなくなります。
1年の途中で当てはめる科目を変えたりしないこと!これは気をつけてください。
もし変えるなら1年の始まりの時期にするか、最悪でも「○月からはこの科目に変更した」としっかり自分で分かるようにしておくことが大切です。

家計簿は、どの時期にどんな収入や支出があるか、自分のお金の使い方の傾向はどうなのかを知ることが第一の目的です。そして今後はどんなお金の使い方をしていきたいのか、どんなことに備えるべきなのかを前向きに考えられるようになることも目的です。
これを叶えられるように、最初は難しく感じるかしれませんが、ボチボチ続けていきましょう!

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