実家の整理・片付けをスムーズに進めるコツについて。
「モノは大切にするべき」との教育を受けた、昭和の「捨てられない」母は70代後半。父は他界し、母自身も終活を意識しているものの、やっぱりもったいないと言って何でもため込みます。
そんな親に、どうにか納得のうえで家を整理して身軽になってもらうお話。生きているうちに片付けるのがやっぱり楽です。
親の世代の特徴=「もったいない」
昭和前半生まれの親が生まれ育った時代は、第二次世界大戦の後の物資不足や、経済の急成長など、私たちが過ごす現在とは全く違った状況でした。
親の世代は「モノは大切にしなければならない」という教育を受けた後に物質的な豊かさを求めるようになったため、家の中にモノが多いのが特徴です。
粗品でも紙袋でも、とにかく「捨てるのはもったいない」「いつか使うかもしれない」と言ってため込んでしまいます。
整理収納アドバイザーとして60歳以上の方のお宅に訪問した時によくあるものは
- 結婚した当時のもの(ドレス、結婚式で使った小道具、写真)
- 旅行先で買った置物
- 昔の服
- 多すぎる食器
- 既に独立した子どもの荷物
です。思い出が詰まったものや、高価だったものが多いほか、「実家を出た子どもの学習机」なんかもあるあるです。
心当たりないですか?
私の母がため込んでいるもの
さて、かつて姉の分譲マンションに同居していた両親。(両親、姉、姉の子ども1人の4人家族)
父が10年ほど前に他界して、姉も再婚のためマンションを売却し、母は現在1Kの賃貸暮らしです。
1Kに引っ越して3年くらいかな?
そんな母の持ち物は
- 大きなタンス(チェスト)×2
- 押し入れの中に扇風機、掃除機、普段着、バッグ、大量のアルバム
- ドレッサー
- テーブル
- ベッド
- 仏壇
- どっかでもらった粗品の数々
ざっとこんな感じ。
ちなみに一人暮らしを始めてから自炊をほとんどしなくなりました。洗濯はマンションのコインランドリーで行っています。
以前は台所用洗剤やラップ、洗濯洗剤のストックが山のようにあったけど、引っ越したら生活スタイルが変わって解消されました。
でも単身なのにタンス2つって。。。中身はすべて父(故人)のものなんです。母自身の服は押し入れにあります。
母自身は終活を意識していて、終活ノートを買ったりしているものの、実際の身辺整理は全く進んでいません。さすが「捨てられない世代」。
終活したい親は意外と多い
母のように、終活したいと心の片隅で考えてはいる、という人は意外と多いようです。
ただ、子から親に「家をどうにかキレイにしてよ」と言っても、親子だからこそ意見がぶつかったりしてうまくいかないことも。。。
親によっては「アンタに任せるから、適当にやっといてよ」なんて言うケースもあるけれど、後でトラブルになると困るし、捨ててしまったら戻ってこないものだってあるし。。。
断捨離と言っても、持ち主の意思を確認せずに捨てまくるわけにはいきませんよね^ ^;
親への伝え方 断捨離の第一歩とは
「必要なもの」「不必要なもの」を分けて、不必要なものを処分することから始めるのが断捨離の第一歩というわけですが・・・、親の世代はこの作業が苦手!
年齢的に、短気で頑固で疲れやすくなっている人もいるしね・・・
では、親にモノと向き合ってもらうためには、どのような声かけをすればよいでしょうか。
私に何を残したい?残っていたら困るものはない?
まずは、子どもや孫に残したい物は何か、そして子どもや孫に見られたくない物がないか聞いてみましょう。
合わせて「見られたくない物は早めに処分してね。一人でできなかったら手伝うから」「大型のものを引き取ってくれる専門業者が近くにあるよ」など、捨てるハードルを下げる言葉もかけておきます。
ずっと着ていない(使っていない)みたいだけど、もったいないんじゃない?
特に高価だった服や思い出の食器などは、「使わないのにずっと所有している」という状態に陥りがち。
親とては、まだ使えるし、いつか使うかもしれないから…という思いがあるかもしれません。
でも、それを作った人は、現状を見て喜んでくれるでしょうか?
そのモノの本来の使われ方をせず、ただ置いてあるだけだったら、スペースがもったいない!親は「捨てるのはもったいない」と言うけど、保管しておくのだってスペースや手間といったコストがかかっていてもったいないのです。
一度着てみてよ!(使ってみてよ!)
「いつか着るかも」「捨てるのはもったいない」と言うなら、一度着てみて!と言ってもいいかも。痩せたら着るから~とか言い訳されるもしれないけど^ ^;
一度着て、外出することをオススメします。
そして、外出時に気分が上がったのならこれからガンガン着ればいいし、もし着心地がよくない・ダサすぎる自分に気付く・似合っていないと感じるなら処分してもらうんです。
また、食器や家電等も一度使ってみて、今後も使いたいかどうかで処分を検討してもらいます。
これ、売ったらお金になるかもよ…(譲ったら誰かの役に立つかもよ)
昔の家電などで、状態がいいものはオークションサイトやフリマアプリで売れることがあります。
うちの場合、古いカメラや電卓が売れました
そして、捨てることに抵抗があっても、誰かに譲ることは可能という人もいます。
バザーに出したり、衣類のリユースに出したりと、身近なところで誰かに譲る方法もあります。
まとめ 親の世代の特徴を責めない声掛けを
親は、受けてきた教育によって「モノをすぐに捨ててはいけない」「何でも大切にするべき」という考え方を持っていることが多いです。
これは時代背景がそうさせたのであって、もちろん親に罪はないし、それを馬鹿にしたり責めたりすると実家の整理は進みません(汗)。
「親を大切に思っているからこそ、今後も私たちに大切にしてほしいものとそうでないものを把握しておきたい」というメッセージを伝えることが大切です。
一発で解決できないことも多いので、気長にいきましょう。
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